四国遍路物語 − 第二部 歩きかたガイド − |
はじめに 第一部 第二部 |
| ■ 冬が最適シーズン
春秋は気候温暖風光明美ではありますが、どこへいっても満員、混雑で落ち着きません。お寺の納経所は行列、ようやくとれた宿は相部屋。貴重な時間を都会の喧噪と人間関係の煩わしさから離れ、自分の脚でお寺を巡りながら人生を見直したい、という向きにはノイズが多過ぎです。 |
| ■ ときには乗り物を上手に利用
遍路の道順に並行して、あるいは迂回して、鉄道や路線バスが走っています。 |
| ■ スケジュールに余裕をもって様々に交流 遍路とは道を求める「旅」そのものです。八十八の札所を回り終わったら何かがある、ということであれば、ひたすら早く回ればいいのですが、そうではありません。弘法大師を慕いそのご修行の跡を訪ねていく途中で、仏や菩薩や悪魔や鬼や、様々な森羅万象に出会い、自分の人生を振り返り、行く末を案じ、これからの生きる道を求める旅です。出合いはいつも前触れもなく突然やってきます。先を急ぎますので、と言ってしまったら仏も菩薩も消えてしまいます。実り多い出会いのためには時間的余裕が必要です。経験的に一日の行動可能時間は10時間ですから、計画は8時間にしておきましょう。残りの2時間を、仏や菩薩やその仮の姿との応対に充てましょう。 |
| ■ 予定通りにいかないことも、すべてがご縁である実感
よく道を間違えます。でもそのせいで、道を教えてくれたり、送ってくれたりする人の親切が身にしみます。優しくされた幸福感に浸れます。 |
| ■ 民宿のおかみさんは遍路の母=民宿観音菩薩さま 夏、冬は客の数も少ないので休業してしまう宿もある中で、一人でも宿泊者があれば(貴山のこと)営業してくれる民宿には頭が下がります。大体が小規模で兼業。こういう宿のおかみさんは遍路が好きで、その宿を守る使命感に燃えていて話好きです。何でも相談に乗ってくれるし助けてくれる遍路の母です。私は密かに「**民宿観音菩薩」と名付けて、よく話し込みました。彼女たちが見てきた遍路の姿に、昨日の私や明日の私がありそうな、いろいろな人生の様子が伺われます。 |
| ■ コンニチハの声をかけながら歩く
農、山、漁村を歩く時には、コンニチハの声をかけながら歩きます。相手が子供達であれば、大きな励ましの声が、大人であれば優しい笑顔の会釈がかえってきます。私が様々な好意(お接待)を受けたり、お話を伺えたのは、多くはコンニチハがきっかけです。まことに、心を込めた挨拶こそが人間関係の出発点ですね。 |
| ■ お接待への感謝は私製のカード お接待をいただいた時には、お寺へおさめる札(ふだ)に自分の名前を書いて差し上げる習わしといわれますが、あまり受け取って貰えません。そこで釈尊のお言葉や弘法大師を讃える和讃(わさん)をプリントした葉書大のカードを差し上げました。「いろは歌」「法悦歓喜のご和讃」「布施」「諸行無常」「煩悩」「般若心経現代語訳」などこのホームページの「薫の葉書」や「本」で紹介しているようなものです。これはかなり興味を引いて、断る人はありません。さらに話題が発展して、坐り直すこともしばしばでした。 |
| ■ 「へんろみち保存協力会」は菩薩行(ぼさつぎょう)の実践
松山市に事務局をおくボランティア団体で、四国全域の歩く遍路道の保存活動を行っています。廃れた道の再開発、道案内の石碑の設置、迷いやすい分岐点への目印シール貼付など。 |
| ■ おわりに
四国のお遍路コースを世界遺産に、というキャンペーンを見かけました。世界遺産とは人類の国宝ということでしょうから大変結構なことだと共感し、署名も募金もしてきました。大事なことは、何をもって宝にするかだと思います。弘法大師空海と同時代に比叡山延暦寺と天台宗を開かれた伝教大師最澄(でんきょうだいし さいちょう)さんは次のように言われています。 |
はじめに 第一部 第二部 |